2022/09/23
競売不動産 実例⑤~強制執行について
競売不動産の場合、現在まだ入居している物件が多々あります
退去に素直に応じてくれる方は問題ないのですが、中には全く応じてくれない方もおられます
最終的には裁判所に訴え出て強制執行の手続きに入るのですが、実はこれにも決して安くはない費用と数カ月の時間を要します
強制執行は最後の手段と考えて、極力 当事者間の話し合いで決着を付けたいのです
過去に70~80件の物件を競売で取得してきました私の経験の中から申しますと、1件だけ強制執行したケースがあります
この方は70代の女性で一人暮らしでした
大変エネルギッシュで元気な方で、饒舌で感情の起伏が激しく、私もなぜか何度も説教されました
それでも、何度も向き合い、お話を聞き、宥め、受け入れ、時には注意をし、人間関係を形成しながら、なんとか一日でも早く退去してもらおうと頑張りましたが、〇日までに退去すると何度約束しても反故にされるの繰り返しでした
取得して2カ月が経過したころ、もう限界と思い強制執行手続きに入りました
その旨を伝えると、「ここで死んでやるから」と何度も言われてしまう始末です
そんな事になったら大変ですが、そうならないよう誠実に向き合い進めていきました
裁判所への申立手数料、予納金などで10万円程度、ここに残置物を撤去する業者の費用が加わります。
また、運び出した荷物を1か月程度倉庫に保管し、その後処分する費用もかかります。
荷物が少ない場合でも50万円ほど、荷物が多い場合や技量が必要な物件などは100万円から300万円程度になるのが一般的です。
できる限り強制執行にはしたくありません。
当事者間で決着を付けたいところですが、最後の砦が強制執行となります